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切削加工品/黄銅鍛造品
鍛造用・切削用耐脱亜鉛快削黄銅棒 FZメタル
▼種類と特長
FZメタル-1: 鍛造用耐脱亜鉛黄銅棒
鍛造用耐脱亜鉛黄銅棒として開発された材料で、優れた熱間加工性と耐エロージョン・コロージョン性を持ち、鍛造後に所定の熱処理を実施することにより優れた耐脱亜鉛腐食性を示す材料です。
FZメタル-2: 切削用耐脱亜鉛黄銅棒
FZメタル-1をベースに切削用耐脱亜鉛黄銅棒として開発された材料で、被削性に優れた材料です。
▼諸特性比較
特性
FZメタル
KZメタル
快削黄銅棒
鍛造用黄銅棒
青銅鋳物
FZメタル-1
(鍛造品) (熱処理有)
FZメタル-2
(棒材)
KZ
C3604
C3771
CAC406
耐脱亜鉛腐食性
耐エロージョン・
コロージョン性
耐応力腐食割れ性
機械的性質
切削性
被削性
表面粗さ
*熱間鍛造性
─
─
*FZメタル-2の熱間鍛造性は、FZメタル-1と化学成分が同じであり、熱間加工性は同等です。
▼化学成分(代表例) (%)
材料
Cu
Sn
Fe
Pb
特殊元素
*Cd
Zn
FZ
61.0
1.2
0.2
2.2
0.5
一般材
75ppm未満
残
C3771
59.0
Sn+Fe 1.0
2.2
─
一般材
75ppm未満
残
C3604
59.0
Sn+Fe 1.0
3.2
─
一般材
75ppm未満
残
CAC406
CAC406C
85.0
5.0
─
5.0
─
─
5.0
▼機械的性質(代表例)
材料
製造方法(サイズ)
性質
引張り強さ
(N/mm²)
0.2%耐力
(N/mm²)
伸び
(%)
硬さ
(HV)
FZメタル-1
押出棒(ø28)
400
185
36
105
C3771
押出棒(ø30)
350
140
45
90
CAC406
砂型鋳物引張試験片
235
─
28
67
FZメタル-2
引抜棒(ø34)
410
240
35
110
C3604
引抜棒(ø24)
450
340
26
140
CAC406C
連鋳棒(ø30)
286
─
33
65
*機械的性質は、同一材料でも押出し、絞り、熱処理条件等によって異なります。
*引張試験にはJIS Z 2201の4号試験片を使用しました。
▼耐脱亜鉛腐食性
試験方法
日本伸銅協会技術標準 (JBMA T303-2007)
評価基準
最大侵食深さ:100μm以下(日本伸銅協会技術標準の評価基準 第2種適用)
試験結果と耐脱亜鉛腐食試験の顕微鏡組織写真
FZメタル-1(鍛造品)
FZメタル-2(棒材)
C3771(鍛造品)
C3604(棒材)
CAC406C(棒材)
JBMA ×200
JBMA ×200
JBMA ×200
JBMA ×200
JBMA ×200
最大侵食深さ:90μm
最大侵食深さ:70μm
最大侵食深さ:160μm
最大侵食深さ:165μm
最大侵食深さ:65μm
*FZメタル-1の鍛造品は、鍛造後所定の熱処理を行っています。
評価結果
FZメタル-1(鍛造品)及びFZメタル-2(棒)は、日本伸銅協会技術標準(JBMA T303-2007、JBMA T303-2008)に規定する評価基準の第2種(最大侵食深さ100μm以下)に適合します。
▼耐エロージョン・コロージョン性
試験方法
隙間噴流腐食試験
試験結果
材料
FZメタル-1
(鍛造品)
FZメタル-2
(棒材)
C3771
(鍛造品)
C3604
(棒材)
CAC406C
(棒材)
5時間後の
表面写真
腐食形態
層状型腐食
層状型腐食
環状型腐食
環状型腐食
層状型腐食
侵食深さ(μm)
46
64
620
430
56
質量損失(mg)
360
270
480
500
240
評価結果
FZメタルはCAC406、CAC406Cと同様の層状腐食で全体が均一に腐食されており、優れた耐エロージョン・コロージョン性を持った材料です。
▼耐応力腐食割れ性
試験方法
こちらを参照
試験条件・判定基準
サンプル
供試材にRc1/2の管用テーパねじを加工(写真)
棒材
鍛造品
相手材
ブッシング SCS13A 1/2×3/8 ... PB(1)1/2
締付けトルク
9.8N・m
雰囲気
常温アンモニア雰囲気(14%NH
3
溶液)
判定基準
割れの有無を目視で観察
○:割れなし
×:割れあり(目視判定)
試験結果
材料
腐食時間
4H
8H
12H
24H
36H
48H
FZメタル-2(棒)
KZメタル(棒)
C3604(棒)
FZメタル-1(鍛造品)
C3771(鍛造品)
評価結果
FZメタル-2(棒)は、弊社KZメタル及びC3604と比較してほぼ同等以上の耐応力腐食割れ性を有しています。
FZメタル-1(鍛造品)は、C3771(鍛造品)と比較してほぼ同等以上の耐応力腐食割れ性を有しています。
▼熱間鍛造性
試験方法
アプセット試験
試験結果
材料
FZメタル-1
C3771
写真
温度(ºC)
670
700
730
760
790
670
700
730
760
790
据込み率
(%)
45
50
55
60
適正鍛造温度
720〜780ºC
680〜740ºC
*鍛造性評価は外観に割れがない場合は○、割れが見られるものは×としました。
評価結果
FZメタル-1は、C3771に比べて鍛造温度をやや高めに設定することにより良好な鍛造ができます。
適正鍛造温度は目安であり、実際のワークで試打ちの上、最適な鍛造温度を確認してから鍛造することを推奨します。
鍛造品の熱処理条件について
FZメタル-1は、耐脱亜鉛腐食性の確保と残留応力除去をするために、鍛造後に実体460〜480ºCで2時間以上の熱処理を行う必要があります。
▼切削加工性
旋削および穿孔加工条件
方法
加工条件
切削速度 (m/min)
回転数 (rpm)
送り量 (mm/rev)
切込み量 (mm)
ドリル径 (ø)
切削状態
旋削加工
113
1,800
0.06
1.0
─
ドライ
穿孔加工
28
1,800
0.06
─
8.0
ドライ
試験結果と切粉の観察結果
方法
C3604
KZメタル
FZメタル-2
CAC406C
旋削加工
切削性指数:100
切削性指数:92
切削性指数:92
切削性指数:87
穿孔加工
切削性指数:100
切削性指数:97
切削性指数:94
切削性指数:89
*切粉採取条件は切削抵抗測定と同条件で行いました。
*切削性指数=([C3604の切削抵抗値]/[各材料の切削抵抗値])×100
評価結果
FZメタルの切削性は、CAC406Cとほぼ同等で良好な切削性を示しています。