黄銅棒の基礎知識
 
伸銅品の用語の説明
用語 定義
展伸材/伸銅品 圧延、押出し、引抜き、鍛造などの熱間又は冷間の塑性加工によって造られた板、条、管、棒、線などの製品の総称。
全長にわたって均一な断面をもち、真っすぐな状態で供給される中実の展伸材で、断面形状が丸形、正六角形、正方形および長方形のもの。
異形棒 全長にわたって均一な断面をもち、真っすぐな状態で供給される中実の展伸材で、断面形状が丸形、正六角形、正方形および長方形以外の棒。
押出棒 押出し(加熱したビレットをコンテナの中に入れて圧力を加え、ダイスを通して所定の形状にする加工)によって最終寸法に仕上げられた棒。
引抜棒 引抜き(ダイスを通して断面積を減少させ、所定の形状にする塑性加工)によって最終寸法に仕上げられた棒。
鍛造棒 鍛造によって最終寸法に仕上げられた棒。
全長にわたって均一な断面をもち、コイル状で供給される中実の展伸材で、断面形状が丸形、正六角形、正方形および長方形のもの。
ビレット 鋳塊から所定の長さに切断された円形断面をもつ加工用素材。
黄銅 銅を主成分(59.0〜71.5%)とする亜鉛との合金。銅と亜鉛との割合によって、60/40黄銅、65/35黄銅、70/30黄銅と呼ばれる場合もある。
快削黄銅 銅56.0〜63.0%、鉛1.8〜4.5%、残り亜鉛からなる合金。鉛を添加して黄銅の被削性を改良したもので、銅合金中で最高の被削性をもち、切削加工によってねじ、歯車などに仕上げられ、機械部品などに用いられる。
鍛造用黄銅 銅57.0〜62.0%、鉛0.25〜2.5%、残り亜鉛からなる合金。被削性を害することなく、熱間鍛造性を付与したものである。バルブ、機械部品などに用いられる。
質別 伸銅品に特定の物理的又は機械的性質を付与するために、必要な処理を施した材料の状態。 処理には、熱処理によるものと、冷間加工によるものとがある。現行JISに規定している質別記号及び概念を次に示す。
:製造のままのもの。機械的性質の制限はしない(FはFabricationの略)。
O:完全に再結晶したもの又は焼なまししたもの。引張強さの値が最も低い(Zero-O)。
1/2H:引張強さが質別1/4Hと3/4Hの中間のように加工硬化したもの。
H:引張強さが質別3/4HとEHの中間のように加工硬化したもの。
焼きなまし/焼鈍 冷間加工の結果生じたひずみ硬化を除去することによるか、固溶体からの析出を粗大化させることによるか、又は再結晶させることによって金属を軟化させる熱処理。
冷間加工 ひずみ硬化が生じるような温度範囲で行う金属又は合金の塑性加工。
※JIS H 0500(伸銅品用語)より抜粋